相続コラム2

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遺言書・相続手続き

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相続コラム「ココロじたく」
BackNumber vol.1~10

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  〈vol.10〉2010年12月6日
「相続人の確定について1」

 亡くなった人の銀行口座が凍結した場合や相続により取得した不動産の登記を行う場合に「相続人の確定」をすることが必要となってきます。では、この「相続人の確定」とはどのようなことなのでしょうか。
 例えば、銀行で「私は亡くなった○○の子供です。だから、亡くなった○○が持っていた通帳のお金を引き出したいのですが」と言っても、その人は本当に○○の子供であるかどうかは分かりません。そこで、客観的な証拠として戸籍謄本等により相続人であることを証明する必要が生じてきます。この証明が「相続人の確定」ということになります。
 相続人の確定は、まず、亡くなった人の最新の戸籍から生まれた時の戸籍まで遡る必要があります。戸籍謄本、改製原戸籍謄本、除籍謄本等の何種類かの謄本を取ることになります。(これらの謄本の内容についてはまた後日詳細にご説明いたします。)何度か転籍したり、結婚離婚を繰り返したりしていると、謄本の収集の数が多くなります。また、昔の謄本になると戦争で焼失してしまった場合などもでてきます。この謄本の収集は自分の祖先も確認できるのでなかなか感慨深いものがあります。この謄本の収集で家系図を作成する人もいらっしゃいます。
 そして、亡くなった人の最新の戸籍から生まれた時の戸籍まで遡ったら、もう一つ作業を行って、「相続人の確定」をします。その作業については、次回のコラムでお話しします。

2010.12.6.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

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  〈vol.9〉2010年11月22日
「緊急を要する遺言書のケース」

 遺言書は「絶対に必要」なものではありません。ただし中には、「絶対に必要」とする相続人がいる場合もあります。
 第1回目のコラムでは、遺言書を書くタイミングとして、定年を迎えたときなどの人生の節目や、家族の記念日などを「きっかけ」としてはいかがでしょうと提案をしました。しかし、今回のコラムでは、そのように「きっかけ」を待っていては、いざというとき手遅れになってしまうケースについてお話します。もしもあなたが結婚していて子供がいなければ、このコラムをぜひ最後まで読んでほしいと思います。
 例えば、子供のいない夫婦の夫が亡くなり、遺言書がなかった場合。故人の親が他界していて兄弟が存在する家族構成であれば、兄弟と妻が相続人になります。あなたに夫婦で暮らしている土地や持ち家があったとしたら、その家自体も相続の対象になりますから、兄弟の主張によっては、妻が家を手放すという最悪の事態も考えられます。夫が亡くなってから、今までに見たことも聞いたこともない夫の異母兄弟がいたというケースも少なくありませんから、「兄弟姉妹はいない」と思っていても、一度、相続人調査をしておくと安心です。
 このように、子供のいない夫婦で、夫(配偶者)に兄弟姉妹がおり、かつ親が他界している場合は、すぐにでも遺言書を作成することをおすすめします。遺言書さえあれば、兄弟姉妹から相続分を主張されることはないので、遺言書により残された妻(夫)の生活を守ることができます。
 上記は、「絶対に必要」とする相続人がいるケースでしたが、残された家族同士の争いを防ぐという意味では、「子供が二人以上いる人」「不動産を所有している人」は、早めに遺言書についてお考えになった方がよいでしょう。

2010.11.22.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

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  〈vol.8〉2010年11月9日
「なぜ公正証書遺言がいいのか」

 前回のコラムでは、自筆証書遺言について、手軽に作成できるというメリットはありますが、無効になる危険性や検認により相続手続きが長引くというデメリットが多いとのお話をしました。今回のコラムでは、公正証書遺言についてのお話しをいたします。

 公正証書遺言は、証人2人立会のもと、公証役場にいる公証人の目の前で遺言の内容を伝えて、その内容を公証人が証書にして作成する遺言です。専門家である公証人が関与することから、形式不備により無効となったりすることはありません。また、原本を公証役場で保管することから、遺言書が発見されなかったり、破棄されたりする危険性もありません。さらに、戸籍謄本の準備などの要書類の収集や公証人との事前の打ち合わせを行政書士等に代行してもらえば、ほとんど手間をかけずに遺言書を作成することができます。もっとも、公証人手数料(財産の価額や相続人の数を基準に決定する)、遺言手数料(財産の価額を基準に決定する)、用紙代(遺言書の枚数を基準に決定する)の費用がかかります。これらの費用はそれぞれの事案により異なってきますので、詳細なことを知りたい方は電話かメールにて事案を説明していただければ、ご回答させていただきます。

 公正証書遺言によるべき場合の例として、不動産を所有している場合、多額の財産を持っている場合、確実に遺言を実行してほしい場合、認知を行う場合などが挙げられます。遺言を確実に実行するために、公正証書遺言をおすすめいたします。なお、それぞれの事案に応じて公正証書遺言に取り入れた方がいい項目(遺言執行者の指定、予備的遺言、付言事項等)がございますので、詳細なことを知りたい方は電話かメールにて事案を説明していただければ、ご回答させていただきます。

2010.11.9.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.7〉2010年10月31日
「自筆証書遺言の長所と短所」
今回のコラムでは、自筆証書遺言についてのお話しをさせていただきます。

自筆証書遺言は、遺言者がその全文・日付・氏名を自筆で書き(パソコンにより作成した文書は不可となります)押印することで作成します。そして、作成した遺言書を封印し、封筒の表側には遺言書と記載し、裏側には日付・氏名を自筆で書き押印します。この形式を守らないと無効になりますのでご注意ください。この自筆証書遺言の最大の長所は、費用がかからず、すぐに作成できる点です。

しかしながら、自筆証書遺言には長所よりも短所が多いのも事実です。例えば、誰かに強要されて作成したのではないかという疑念が生じ相続人の間でトラブルになったりすることが多く、また、本人が死んだ後に誰にも発見されない危険性もあります。さらに、不利な記載がしてある相続人により遺言書が破棄・隠匿されたり、遺言書の書き方の形式不備で無効になる危険性があります。手続きの面でも、遺言作成者が死んだ後に家庭裁判所の検認というのもが必要となり、1~2か月程度相続手続きが進まなくなります。

自筆証書遺言の長所と短所を考慮した上で、自筆証書遺言によるべき場合の例として、不動産等の高額財産がない場合や、死期が近く時間がないので公正証書遺言を作成するまでの間に合わせなどが挙げられます。

しかしながら、一般的に自筆証書遺言は無効になる危険性や検認により相続手続きが長引きますので、自筆証書遺言を作成するよりも公正証書遺言を作成することをお勧めいたします(公正証書遺言については次回のコラムでお話しさせていただきます)。

2010.10.31.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.6〉2010年10月23日
「遺言書の種類について」
 ドラマなどでよく見る遺言書は手書きのものが多いようですが、実は、遺言には手書き以外のものがあります。民法では何種類かの遺言の方式を決めており、一般的によく利用されている遺言書は自筆証書遺言と公正証書遺言の2つです。今回のコラムではこの2つの遺言書について比較しながら説明します。
 自筆証書遺言とは、遺言者がその全文・日付・氏名を自筆で書き(パソコンにより作成した文書は不可となります)押印することで作成します。自筆証書遺言は自分一人で作成できることから、費用がかからず、手軽に作成できる点が長所です。しかし、専門家によるチェックを受けない限り、形式不備により遺言書自体が無効になってしまうという危険性があります。また、自分で保管することから死後に遺言書が発見されなかったり、破棄されてしまう危険性があります。
 これに対して公正証書遺言とは、公証役場にいる公証人に遺言の内容を伝えて、その内容を公証人が証書にします。形式不備により無効となったり、遺言書が発見されなかったり、破棄されたりする危険性を考えなくてよいところが長所です。しかし、費用がかかり、戸籍謄本の準備等で作成自体に手間がかかるという点ではデメリットとなります。もっとも、遺言の作成段階で手間をかけることから、遺言者が亡くなった後の手続きについては、自筆証書遺言よりも簡単です。
 どちらの遺言書を作成するかで迷っている方、いろいろな状況によって違いが生じますので、ご相談ください。どちらの遺言書にも、メリット・デメリットはありますが、遺言書の確実な実行を考えると、公正証書遺言がお勧めです。
 次回以降のコラムでは、自筆証書遺言と公正証書遺言のそれぞれの詳しいお話しをさせていただきます。

2010.10.23.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.5〉2010年10月10日
「遺言書による子供の認知」
 前回のコラムで、遺言書に残すことで法的な力を発揮できる内容のひとつに、子供の「認知」があることお伝えしました。今回は、その遺言による「認知」について、少し詳しくお話したいと思います。
 まず「認知」とはどういうことか。それは、嫡出でない子(婚姻関係にない男女間で生まれた子供)について、その父または母が、血縁上の親子関係であることを法的に認めることをいいます(民法779条)。母子関係については分娩の事実によって発生することになりますので、「認知」は父子関係において特に問題となります。
 では、どのような場合に、遺言書による「認知」が行われるのか。よくある事例は、夫が妻以外の女性との間に子供をもうけた場合です。夫は、妻や家族の手前、「認知」をしないことがあります。しかし、その夫が「認知」を遺言に残していれば・・・。死後になってから、子供の存在が明らかになり、「認知」されるのです。死後であっても「認知」されれば、その子供は法的に相続権を得ることができます。(但し、嫡出でない子の法定相続分は嫡出である子の法定相続分の2分の1となります(民法900条4号))「せめて遺産だけは残したい」という気持ちから、遺言で「認知」を行う例は少なくありません。道義上の問題は生じると思いますが、民法上、このような遺言書による「認知」が認められています。

2010.10.10.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.4〉2010年10月4日
「遺言書に付ける手紙」
 遺言書に書いて法的な力を発揮できる内容には限りがあります。例えば「誰にどの財産をどのくらい残すか」という財産相続の指定や、子供の認知(次回コラムで詳しくお話しします)です。民法に記載された10種類※以外のことを遺言書に書いても、法的な効力はありません。
ただ、面白いことに、遺言書には法的な効力はないけれど、財産指定や子供の認知以外のことを書いておける「付言事項(ふげんじこう)」という欄を設けることができます。たいがいの方は、法的効力のない「付言事項」を意味のないものと考え、書かないようです。
 しかし、私は断然「付言事項」を付けることをおすすめします。なぜなら、ここが残された人たちへの最後の手紙になるからです。「兄弟みんなでお母さんを支えてくれ」「今まで幸せだったのは家族のおかげです。本当にありがとう」などの最後の感謝を伝えることができます。また、こういった言葉を受け取った家族には、故人の想いを尊重する気持ちが生まれ、相続に関するトラブルが起きにくくなるものです。遺言書を作成する際には、この「付言事項」のことをぜひ思い出してください。

2010.10.3..アンカー法務事務所 御代川正佳
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  ※民法が保護する10種類の遺言事項
  ①遺贈・寄付行為等、遺言者の遺産の処分
   (法定相続人の遺留分侵害はできない 902条1項但書)
  ②推定相続人の廃除(893条)、廃除の取消し(894条)
  ③相続分の指定、指定の委託(902条1項)
  ④遺産の分割方法の指定(908条前段)
   (第三者への委託も可)
  ⑤遺産分割禁止(908条後段)
   (最長5年)
  ⑥相続人相互の担保責任の指定(914条)
  ⑦遺言執行者の指定(1006条)
   (第三者への指定の委託も可)
  ⑧遺留分減殺請求権の遺贈の目的価額割合と異なる方法の指定(1034条但書)
  ⑨認知(781条2項)
  ⑩未成年後見人の指定(親権者が一人もいなくなる場合だけ 839条)
   (第三者への指定の委託も可)
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  〈vol.3〉2010年9月23日
「相続でもめる理由」
 「相続」が「争続」になる。とはよく言いますが、これについてピンとこない方も多いでしょう。今現在、良好な家族なのだから、相続もお互いが納得いくように、平等に行えば大丈夫と考えるのが当たり前の感覚です。
 ただ、少し考えてみてください。財産がきれいにすっぱり平等に分けられるとは限りません。また、相続の時点での、各々の家庭事情がそれをさせないこともあり得ます。
 例えば、亡くなった人の財産に一戸建住宅(2000万円)・マンション(1000万円)・土地(800万円)があるとしましょう。また身内に妻と長男と次男がいるとしましょう。
遺言書がなければ、法律で定められている相続分(民法900条)により、亡くなった人の財産の1/2が妻、1/4が長男、1/4が次男で相続することになります。
 ここで問題が生じることが考えられます。例えば、その時一戸建住宅に妻が住んでおり、マンションに長男が住んでいる場合、妻と長男からしてみれば、一戸建住宅・マンションをそれぞれ相続して、次男が土地を相続することが合理的に思えるでしょう。しかしながら、次男が借金等により1円でも多く現金をほしいと思えば、一戸建住宅・マンション・土地のすべてを売却して現金化することで、それを法定相続分で分けようと主張してくるでしょう。この次男の主張により、妻と長男が今まで住んでいた家から出ていくことになり、生活が大きく変わってしまう可能性があるのです。また、長男と次男の仲はいいが、それぞれの配偶者が横から口出しをして揉めてしまう可能性もあります。
 財産をきれいに分けられない事情は、どの家庭にもあり得ることなのです。こういった事情を事前によく考慮し、家族が揉めないように残しておくべきなのが遺言書です。可能であれば、遺言書の内容を家族みんなで納得いくまで話し合うのもいいでしょう。

アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.2〉2010年9月12日
「遺言書と流行」
 最近、「遺言書キット」の売れ行きが好調のようです。テレビの影響や、ライフプランニングという考え方の浸透とともに、遺言書がより身近なものになってきたということでしょうか。いずれにせよ、手紙のように手書きで遺言書を作成することはとても有意義なことだと思います。なにより遺言書を作るその時間こそが、家族や自分のお世話のなった人達を深く見つめ、感謝し、考える時間になるからです。
 ただし、手書きの遺言書の場合、多少なりとも不安になるのが、その遺言書が本当に法的に有効かどうかです。少しでも不安材料があるなら、お近くの行政書士などの専門家にみてもらえば安心ですね。
 また、気を付けておくべきは、手書きの遺言書(自筆証書遺言)は、公正証書遺言ではないとうことです。この、自筆証書遺言と公正証書遺言の詳細な違いは、後日コラムにてお話しますが、公正証書遺言にすると裁判所の検認手続が不要となり、専門家である公証人が関わるので様式不備の心配が少なくなります。

アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.1〉2010年9月4日
「遺言づくりのきっかけ」
 あなたは、遺言書を作ろうと思ったことがありますか。「まだまだ先のこと」「いよいよとなったら」と考えている方も多いでしょう。しかし、「いよいよ」となったときのことを想像してみてください。はたして、じっくりと考え抜いてつくることができる状況にあるでしょうか。
気力、体力、時間が揃っている元気なうちにこそ、自分と大切な人にやって来るその時に備えるべきではないでしょうか。
 とはいえ、「遺言書」というと、日本ではまだどこか仰々しい気がして、なかなか考えたり、話し合ったりするきっかけがありません。よく言われているのは、自分の近しい人が亡くなったときに考えるというものですが、それを待っていては準備になりませんね。
 そこで私からの「きっかけ」提案です。一つ目は、定年を迎えたときや事業を開始したときなど、人生の節目のときです。2つ目は、妻や夫、子供の誕生日、結婚記念日など、大切な人に関係する日。こういったときをきっかけに、遺言について考えはじめてはいかがですか。

アンカー法務事務所 御代川正佳
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遺言も相続も、わからなくて当り前です。
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