相続コラム

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遺言書・相続手続き

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相続コラム「ココロじたく」
BackNumber vol.11~30

  ●目次●
vol.30 「遺影について」→
vol.29 「日本の伝統について」→
vol.28 「東日本大震災の相続放棄の熟慮期間」→
vol.27 「公平」に分ける→
vol.26 「まずは、お話に耳を傾ける」→
vol.25 「お盆」→
vol.24 「大切な人の幸せのために」→
vol.23 「遺言書を作成するにあたって」→
vol.22 「おばあちゃんの人柄」→
vol.21 「サクラを見つつも……」→
vol.20 「「信頼」される人間」→
vol.19 「知っておきたい最高裁判所の判例2」→
vol.18 「知っておきたい最高裁判所の判例1」→
vol.17 「隠し子がいた時」→
vol.16 「ご先祖様を知るために」→
vol.15 「法律上は預貯金に時効があります」→
vol.14 「嫡出でない子にも公平に財産を分ける方法」→
vol.13 「結婚間にない子は、相続分が不利」→
vol.12 「年末年始は遺言・相続のいい機会です」→
vol.11 「相続人の確定について2」 →
vol.10 「相続人の確定について1」 →
vol.9 「緊急を要する遺言書のケース」→
vol.8 「なぜ公正証書遺言がいいのか」→
vol.7 「自筆証書遺言の長所と短所」→
vol.6 「遺言書の種類について」 →
vol.5 「遺言書による子供の認知」 →
vol.4 「遺言書に付ける手紙」→
vol.3 「相続でもめる理由」→
vol.2 「遺言書と流行」→
vol.1 「遺言づくりのきっかけ」→

  〈vol.30〉2012年8月24日
「遺影について

 先日、遺影についてのセミナーに行ってきました。私自身、正直、今まで遺影について考えたことがありませんでした。しかしながら、このセミナーで、免許書の拡大コピーの「写真」と、自分が遺影として撮影した「写真」とでは、雲泥の差があることが分かりました。遺影は見ている人の心の奥深くに染み込んでいきます。何かを語りかけてくれます。また、遺影を作ることで、今の自分の顔がどうなっているのかの精神チェックもできます。
 遺言書も当然必要ですが、遺言書を作る際には、遺影の撮影も検討されてはいかがでしょうか。

2012.8.24.アンカー法務事務所 御代川正佳

  〈vol.29〉2012年1月6日
「日本の伝統について

 明けましておめでとうございます。皆様、お正月はどう過ごされましたか。私は、妻の実家で年を越しました。紅白を見て、年越しそばを食べて、近くの神社に初詣に参りました。
 この中で初詣が非常に楽しく、おかめ・ひょっとこが舞台で踊ったり、餅を投げたり、白酒を振る舞ったりしていました。日本の伝統を肌で感じてきました。

日本には伝統があります。仕事をしていると、この伝統を忘れてしまうことがあります。たまには、祖先のことを考えたりして、のんびりと過ごすのもいいのではないでしょうか。また、子供達に何を残すかを考えて、次世代に引き継いでいくもことも考えていきましょう。

2012.1.6.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

  〈vol.28〉2011年11月9日
「東日本大震災の相続放棄の熟慮期間

 相続の放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産もすべて相続しないという意思表示をすることを言います。この相続の放棄は、家庭裁判所に申述することで行い、この申述は自分が相続人となったことを知った時から3ヶ月以内に行わなければならないとされています。(民法915条1項本文)
 この相続の放棄について、特例として先の東日本大震災の被災者である相続人については、熟慮期間を延長することを内容とする「東日本大震災に伴う相続の承認又は放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律」(以下「特例法」といいます。)が成立しています(平成23年6月21日に公布、施行)。この特例法は平成23年3月11日において、岩手県宮城県福島県の全市町村およびその他の特定の地域に住所を有していた方を対象としています。(詳細な内容は法務省のホームページをご確認ください)
 もっとも、この特例法で延長された熟慮期間は、平成23年11月30日で満了してしまいますのでご注意ください。なお、同日までに相続の放棄をするかどうかを決めることができないときは、同日までに家庭裁判所に熟慮期間の伸長の申立てをすることもできます。(民法915条1項但書)

2011.11.9.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

  〈vol.27〉2011年10月3日
「公平」に分ける

 先日、遺言書の作成の依頼を受け、子供がいる女性と打合せをしてきました。その女性はまだ現役で働いており、非常にしっかりした方でした。子供が4人おり、その4人に対して、どのように財産を残せばよいのかの相談受けました。不動産、預金、株式、生命保険等の幅広い財産があり、単純に4等分をすることはできない事案です。1時間ほど話し合って、ようやく結論の方向性が決まりました。その時「きれいに4等分することはできないけど、とても満足しました。私の中では公平に分けることができました。ありがとうございました」と言っていただけました。

「公平」に分けるというのは、非常に難しいと思います。ただ、遺言書を作成する人が真剣に自分たちの子供の事を考え、それを遺言書に残せば、その子供達は公平さを理解してくれるのでなないでしょうか。

2011.10.3.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

  〈vol.26〉2011年8月30日
「まずは、お話に耳を傾ける

 先日、遺言書の作成のお手伝いをしたおばあちゃんから、新たな仕事の依頼があり、お会いしてきました。その仕事が終了した後、おばあちゃんが「今度手術をすることになりました。私は不安なので入院したいと言ったのですが、入院するには保証人が必要と言われました。私には保証人になってくれる人がいないのでどうしましょう」との相談を受けました。
 結果的には、おばあちゃんが、なんとか保証人になってくれる人を見つけて、入院することができました。ただ、おばあちゃんは運よく保証人になってくれる人がいたからよかったのですが、同じような問題で保証人が見つからない人もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。高齢化社会の中では、このような保証人のような問題は氷山の一角に過ぎず、もっと多くの様々な問題が山積していると思われます。

これからの高齢化社会で重要なことは、お年寄りのお話に耳を傾けることを実感しました。目の前にいるお年寄りはなぜ困っているのか、何を望んでいるのかをしっかりと把握して、問題を解決していくことが大切なのではないでしょうか。

2011.8.30.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

  〈vol.25〉2011年8月12日
「お盆

 お盆の時期です。お盆は、家族や親戚が集まり先祖の霊を迎え、今の自分があるのは先祖のおかげであると感謝や供養を行います。ただ、その風習は地方や家によって異なります。
 よく聞く風習には、茄子の牛やきゅうりの馬でお迎えをしたり、精霊流しをしたり、盆提灯を飾ったりするものがあります。また、少し変わった風習として、お墓に行ってロケット花火を打ち上げたり、深夜のお墓で子供がワラのたいまつに似たものを振り回すのもあるみたいです。
 どのような風習にしろ、先祖に感謝することは重要です。また、風習を子供に引き継ぐことも非常に重要となります。お盆で時間がある時に、子供への引き継ぎ、自分の死後に残された家族に何を残すか、遺言書の作成を考えてみませんか。

2011.8.12.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

  〈vol.24〉2011年8月9日
「大切な人の幸せのために

 先日、お客様から相続の相談を受けました。詳細な事はここでは書けませんが、遺言書を作成しないで父親が亡くなり、残された財産についての相談でした。話を聞いていると、相続人間での人間関係が非常に複雑で、遺産分割協議書を作成しようにも、全員の合意を得るのは非常に難しい状況でした。
 2時間近く話をした後に、お客さんの口から「どうして、父は遺言書を残してくれなかったのだろう。残してくれれば、こんなつらい思いをしないで済んだのに」との言葉が出てきました。

遺言書さえあれば、残された家族がつらい思いをすることは回避できます。そして、自筆証書遺言であれば、数時間あれば作成することができます。大切な人の幸せのためにも、遺言書を作成しましょう。

2011.8.9.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.23〉2011年6月15日
「遺言書を作成するにあたって

 先日、とある方から遺言書作成の依頼がありました。その依頼内容は、何の面倒も見てくれない親族に自分の財産を与えたくないので、親しい他人に財産をもらってほしいとのことでした。お話を伺っている中で、依頼人が熟慮した結果、遺言書を作成しようと考えるに至ってことがひしひしと伝わってきました。
 話の中で問題になったのは、どの親しい他人に財産をあげたいのか、葬式などの内容に自分なりの希望があるのかという点でした。依頼人の方は、まだそこまでは考えておらず、これから相談しながら詰めていくことになりました。
 遺言書を作成することは、自分の人生を振り返り、これからの人生を考えていくためにも非常に有意義なことです。遺言書を作成する際は、詳細なことは行政書士等の専門家に相談しながらでもいいので、「誰に財産をあげたいのか」「葬式などについて、自ら特別な希望があるのか」という基本的な事項を明確にしていくことで、本当の自分の想いをはっきりさせ、希望を叶える遺言書を作ることができると思います。

2011.6.15.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

  〈vol.22〉2011年5月19日
「おばあちゃんの人柄

 先日、90才のおばあちゃんとその娘の3人とお話をしました。話の内容は、おばあちゃんのご主人が亡くなった時に、相続の手続きをしていなかったので、その手続きについてでした。おばあちゃんは、しっかりしており、私の説明に真剣に耳を傾けてくれました。また、非常に礼儀正しく、丁寧な言葉で対応してくれました。おばあちゃんの人との接し方、礼儀正しさ、謙虚な姿勢には学ぶものがありました。私が帰る際に、おばあちゃんは頭を下げて「よろしくお願いします」と言ってくれました。単なる言葉だけでなく、強い気持ちが私の心に伝わってきました。高齢者の方からは、学ぶことが多いです。これからも、多くの高齢者からたくさんの事を学んでいきたいと思います。
 今回の相続の手続きの件はおばあちゃんの人柄も手伝って無事に解決しそうです。しかしながら、手続きを放置する期間が長くなると、一般的には解決するのが面倒になってきます。相続の手続きを放置している方がいらっしゃいましたら、早めに対応するようにしましょう。

2011.5.19.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

  〈vol.21〉2011年4月19日
「サクラを見つつも……

 先日、私と嫁と双方の親で、家の近くの公園でお花見をしました。サクラを見つつも、喜んでいる親を見て、何とも言えない感慨深い気持ちになりました。親、親の親………過去の数えきれない祖先が存在していたからこそ、今の自分が存在する。このように考えると、自然と自分の祖先に対する畏敬の念が湧いてきました。

自分の存在は過去の数えきれない祖先の存在を前提に成り立っています。祖先と自分のつながりを確認するためにも家系図を作成しようと思います。皆様も除籍謄本等を取得して家系図を作成しませんか。
 今日、家の近くのサクラが見事に散っていました。散りゆくサクラも非常に美しく、自然と眺めていました。私の祖先も咲くサクラ、散るサクラを何度も何度も見てきたことでしょう。

2011.4.19.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

  〈vol.20〉2011年4月1日
「「信頼」される人間

 「遺言書は残される身内の幸せのために作成したい。けれども、自分の財産や身内のことは非常にプライバシーの高い内容なので、他人に相談して知られたくない。その結果、遺言書を作成しなくなる。」このように考えて、遺言書の作成を放置している人は多いと聞いたことがあります。確かに、遺言書の作成の相談を依頼する人が初めて会う人の場合、自分の財産のことをお話しするのは少し抵抗があるでしょう。

そこで私は、遺言書の相談で初めて話す人の場合は、相手が話しやすい環境を作り、「信頼」してもらうことを最重要に意識しています。
 「信頼」される人間になる。そのためには、いろいろなことを経験して、いろいろなことを人から学んで、いろいろな修行をしていかなければなりません。

2011.4.1.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.19〉2011年3月7日
「知っておきたい最高裁判所の判例2

 前回のコラムでは、2月22日の最高裁判所の判決の内容についてお話しました。母親が「全財産を長男に相続する」という遺言書を作成しても、実際に長男が先に死んで、母親がその後に死ぬと、長女の「母親が死んだ段階で、長男がすでに死んでいることから遺言書は無効である」との主張が認められるという判決の内容でした。
 けれども、この判決のように、せっかく作成した遺言書が無効になってしまうのでは、遺言書を残す意味がなくなってしまいます。それでは、このような場合にも遺言書を無効にしないためにはどのようなことをすればいいのでしょうか。
 まずは、長男が亡くなった段階で、遺言書を書き直すということが考えられます。例えば「全財産を亡長男の息子に代襲相続する」との内容で新たに遺言書を作成し直すのです。(遺留分の話はここでは置いときます)しかしながら、これには問題があります。長男が亡くなった段階で母親の意識がしっかりしてればいいのですが、長男が亡くなったショックや母親が高齢であることにより、母親の意識がしっかりしておらず、遺言書を作成できない可能性があるのです。すなわち、長男が亡くなった段階で母親の意識がはっきりしてないと、遺言書は作成できないのです。
 そこで、遺言書を作成する時に仮に長男が亡くなった場合も記載しておくのです。すなわち、「全財産を長男に相続する。仮に長男が私よりも先に死亡した場合は、全財産を亡長男の息子に代襲相続する」とすればよいのです。
 高齢化する現代社会では、親と子供のどちらが先に死ぬかが分からない場合が少なからず増えてくると思います。そのような場合にも、無効にならない遺言書を作成しましょう。

2011.3.7.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.18〉2011年3月1日
「知っておきたい最高裁判所の判例1

 先日2月22日に、遺言書についての最高裁判所の判決がありました。最高裁判所の判決は、今後同じような事件があった場合にその事件を解決する「ものさし」となりますので、非常に重要な判断となります。そこで、今回のコラムではその内容と問題について、分かりやすく説明します。
 母親が「全財産を長男に相続する」という遺言書を作成しました。(遺留分の話はここでは置いときます)この場合、母親が先に死んで、長男が後で死ねば特に問題は生じません。しかしながら、現実は長男が先に死に、母親がその後に死んでしまいました。そこで、長女は「母親が死んだ段階で、長男がすでに死んでいることから遺言書は無効である」との主張をしました。これに対して長男の子供は「長男が母親より先に亡くなった場合、その子供が全財産を相続すると考えるのが、長男に全財産を残したいと望んでいた母親の意に沿う」と主張しました。
 この両者の主張についてみなさんはどう思われますか。非常に難しい判断ではありますが、最高裁判所は長女の主張が正しいとして、遺言書の効力は無効であるとの判断をしました。
 子供が親よりも先に死ぬというのは、非常に悲しいことです。けれども、親も子供も共に高齢の場合には、今回の事例のように子供が先に死ぬような場合も増えてくるでしょう。このような場合に、母親が遺言書を残したとしても、その効力は無効となってしまうという問題が発生します。次回コラムでは、このような時に無効にならない対応策についてお話いたします。

2011.3.1.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.17〉2011年2月21日
「隠し子がいた時

 先日、ある役者に隠し子がいるというニュースがマスコミで騒がれました。この隠し子については現段階では認知をしていないとのことですので、その役者が亡くなったとしても、相続は発生しません。では、その役者が隠し子に、財産を残すにはどのような手続きをすればよいのでしょうか。
 まず、財産を残す手段として、現段階で認知することが考えられます。また、遺言書によって隠し子を認知することも考えられます。しかしながら、隠し子は嫡出でない子(結婚していない男女の間に生まれた子)ですので、嫡出子(結婚している男女の間に生まれた子)の半分しか財産を相続できません。
 次に、隠し子と養子縁組をすることが考えられます。この場合は前述したように嫡出子の半分しか相続できないようなことはなく、嫡出子と同様の保護が受けられます。
 さらに、遺言書によって、隠し子に遺贈することが考えられます。しかしながら、この場合は遺留分を侵害しない範囲で遺贈する必要があります。

どの方法を取るにしても、隠し子がいた時の対応は、大変なことになりそうです。

2011.2.21.アンカー法務事務所 御代川正佳
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  〈vol.16〉2011年2月14日
「ご先祖様を知るために

 先日、お墓参りに行ってきました。今まで、墓石をじっくり見たことはなかったのですが、今回は墓石を見て、どのようなご先祖様が入っているのかを確認してみました。私の祖父の弟の名前は確認できたのですが、その他3名のご先祖様は今まで一度も聞いたことのない名前の人でした。その時、自分に近いご先祖様のことを知らないのは情けないと反省しました。
 そこで、自分のご先祖様を知り、祖先を敬うためにも、戸籍謄本を取得して家系図を作ろうと考えております。相続人の確定をする時には戸籍謄本は必要になりますが、自分の存在を確認する家系図を作成するために、皆様も戸籍謄本を取得されてはいかがでしょうか。

2011.2.14.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

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  〈vol.15〉2011年2月5日
「法律上は預貯金に時効があります

 相続の手続きが面倒であることを理由に、預貯金をそのままにしているケースがよく見受けられます。しかしながら、預貯金も時効にかかるのです。法律上は預貯金について、何もしないでいると10年で時効にかかると言われています(5年という考え方もあります)。とはいえ、郵便局では現在、20年まで対応しており、他の銀行でも時効期間が過ぎても対応をしています。ただし、時効期間以上の対応する義務はありません。面倒だからといって、預貯金の相続を放置しすぎないように注意してください。
 ちなみに、時効を10年とすると、1兆3000億円の預貯金が眠ったままであると言われています。国民1人あたり10,000円が眠ったままの状態になっているのです。

2011.2.5.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

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  〈vol.14〉2011年1月21日
「嫡出でない子にも公平に財産を分ける方法

 前回のコラムでは、嫡出でない子(婚姻関係に無い男女間で生まれ、男性が認知した子供)の法定相続分は嫡出子(婚姻関係にある男女間で生まれた子供)の1/2であることをお話ししました。しかしながら、「嫡出でない子も自分にとって大切な子供であることから、嫡出子と同じように公平に自分の財産を与えたい」と考える父親も多いのではないでしょうか。
 そのような場合には、遺言書を作成することで、自分の思いを実現できます。遺留分に反しない限度でという制限はありますが、遺言書によって嫡出でない子と嫡出子とで公平に対応することができます。(遺留分については後日のコラムでお話しします)また、認知していない子供がいて公平に自分の財産を与えたい場合にも、遺留分に反しない限度でという制限はありますが、遺贈することで公平に対応することができます。
 遺言書を作成することで、自分の財産を自分の基準で公平に分けることができるのです。

2011.1.21.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

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  〈vol.13〉2011年1月16日
「結婚間にない子は、相続分が不利

 民法では結婚している男女間に生まれた子供を嫡出子とし、結婚していない男女間に生まれた子供で、男性が認知した子供を嫡出でない子としています。そして、嫡出子と嫡出でない子とでは法定相続分は異なるのです。嫡出でない子の法定相続分は嫡出子の1/2としているのです。(民法900条4号ただしがき)
 この問題について、嫡出子と嫡出でない子とで法定相続分を区別することは、法の下の平等(憲法14条)に反するのではないかということで最高裁判所まで争われました。最高裁判所はこの区別を合理的であるとして合憲としました。
 この、最高裁判所の判断については、賛否が分かれています。子供を産むのは婚姻関係にある男女であるべきだという考えを重視すれば、嫡出子と嫡出でない子とで法定相続分を区別することは合理的と言えるでしょう。これに対して、男女が結婚するかどうかは、生まれた子供にはどうすることもできないことであり、子供の立場から考えるとこの区別は合理的とは言えないとの意見もあります。
 みなさんはどのように考えますか。

2011.1.16.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

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  〈vol.12〉2010年12月28日
「年末年始は遺言・相続のいい機会です

 今年も残すところ、数日となりました。そこで、私から、年末年始にかけて、一つの提案をしたいと思います。それは「年末年始」に遺言書や相続手続きについて考えるということです。
 なぜ、「年末年始」なのでしょうか。それには、二つの理由があります。
 まず、一つ目の理由として、「年末年始」には時間があるからです。遺言書であれば、誰に何を残せばいいのかをゆっくりと時間をかけて考えることができます。また、相続手続きであれば、例えば死んだ人の名義を変更していないものがあるかをじっくりと探すことができます。
 次に、二つ目の理由として、「年末年始」は親族が集合する数少ない機会だからです。遺言書であれば、一人一人の子供や孫を見ながら、誰にどの財産を残せば全員が幸せになるのかを想像することができます。また、相続手続きであれば、例えば亡くなった人の土地について価値が低いので相続登記をせずに放置していた等の問題がある場合に、親族全員で手続きを進めるかを話し合うことができます。
 実際に遺言書を作成したり、相続手続きを進めたりするまではいかなくても、「年末年始」をきっかけに、遺言書や相続手続きについて考えてみてはいかがですか。

2010.12.28.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

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  〈vol.11〉2010年12月16日
「相続人の確定について2」

 前回のコラムでは、「相続人の確定」をするにあたって、まず、亡くなった人の最新の戸籍から生まれた時の戸籍まで遡って戸籍謄本、改製原戸籍謄本、除籍謄本等を取る作業を行う必要のあることをお話しました。
 この作業の次に、誰が相続人となるかを確定する作業が必要となります。相続人となる人は以下の通りです。
①配偶者は常に相続人となります
②相続人の第一順位は子供です
③相続人の第二順位は直系尊属(父母、祖父母)です
④相続人の第三順位は兄弟姉妹です
 まず、①被相続人(亡くなった人)が死亡した時に、配偶者がいるか否かを確認します。この作業は、被相続人が亡くなった時点での戸籍謄本を確認すれば、判明します。
 次に、②被相続人の生まれた時から死亡した時の謄本を確認し、子供(第一順位)の有無を確認します。子供が一人でもいれば、相続人の確定作業は終了です。その子供の全員分の戸籍謄本を取得します。
 さらに、子供が一人もいなかった場合には③直系尊属(第二順位)の有無を確認します。直系尊属が一人でもいれば、相続人の確定作業は終了です。その直系尊属の全員分の戸籍謄本を取得します。
 最後に、子供も直系尊属もいなかった場合には④兄弟姉妹(第三順位)の有無を確認します。兄弟姉妹が一人でもいれば、相続人の確定作業は終了です。その兄弟姉妹の全員分の戸籍謄本を取得します。
 今回のコラムは、法律的なお話しでしたので、少し難しいのではないかと思います。次回のコラムでは、「相続人の確定」の際に生じる問題を具体的な事例を挙げて分かりやすくお話しします。

2010.12.16.アンカー法務事務所 御代川正佳
●遺言書作成と費用について→

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